2月14日はバレンタインデーでした。
今年は、知り合いの女性から久しぶりにチョコセットをもらいました。
昔は毎年のことでしたが、やはり嬉しいものです。
この習慣について改めて調べてみました。
その由来・ルーツ・歴史的背景については、
４～５世紀頃のローマ帝国とキリスト教の国教化という視点が重要になると思われます。
過去の経緯はともかくとして、
最近の流れを簡単にまとめてみました。
ご存知の方も多いと思われるますが、2月14日のバレンタインデーに「女性が男性へ」チョコレートを贈るという年中行事は、日本国内だけで行われている日本独自の文化とか。
海外でもチョコレートをプレゼントするケースはあるようですが、日本ほどバレンタインデーとチョコレートが密接に関連付けられ定着している国はおそらく探しても見つからないとのことです。
日本という国は、独自の伝統的な文化を持ちながら、外国由来の文化を抵抗なく取り入れる国民性があるということですね。
ハロウイーンやクリスマス等も抵抗なく受け入れてきていますよね。
一体どのようにして、日本でバレンタインデーに「女性が男性へ」チョコレートを贈る風習が生まれたのでしょうか？
その由来・起源・元祖について、有力に主張されているいくつかの説を年代順にまとめてご紹介してみたいと思います。
★モロゾフ起源説 1936年
モロゾフは、ガラスの容器に入ったプリンで有名な神戸の洋菓子メーカーです。
創業は1931年です。
すでに創業の翌年の1932年2月には日本初となるバレンタイン向けチョコレートを発売しているのです（同社Webサイトより）。
1936年2月にモロゾフは、東京で発行されていた英字新聞『ザ・ジャパン・アドバタイザー The Japan Advertiser』上で、次のようなキャッチコピーの広告を打ったというのです。
「あなたのバレンタインにチョコレートを贈りましょう」
この広告文における「バレンタイン」とは、恋人・大切な人の意味。英語圏において、バレンタインデーに送る手紙やカードには、
「From Your Valentine あなたのヴァレンタインより」という一文が添えられることが多いのです。
★メリーチョコレートカムパニー説 1958年
1958年2月、メリーチョコレートカムパニー（Mary Chocolate Co.,Ltd.）が、伊勢丹新宿本店で「バレンタインセール」というチョコレート販売のキャンペーンを行っています。
日経産業新聞 2001年6月19日付の記事によれば、これは日本初のバレンタインデーイベントだそうです。
ちなみに、メリーチョコレートカムパニーの創業者は、
モロゾフの菓子職人だった原堅太郎です。
2008年のリーマン・ショックで数十億円の投資損失を出し、韓国系企業のロッテに身売りし、子会社となってしまいました。
★森永製菓の新聞広告説 1960年
1960年、森永製菓がバレンタインデーに向けて新聞上に次のような広告を打っています。
「愛する人にチョコレートを贈りましょう」
ただ、この新聞広告の趣旨としては、チョコレートがメイン（主目的）としてではなく、手紙などを贈る際に「チョコレートを添えて」といった意味合いが強かったようです。
しかも、現代のバレンタインデーのような「女性から男性へ」といった受け手と送り手の性別については何も表現されておらず、さらにどちらかといえば、未婚同士の恋愛というよりは、家族愛・夫婦愛といった普遍的な「愛の日」的側面が背景にあったようです。
★ソニープラザ説 1968年
1968年、ソニー系の輸入雑貨専門店ソニープラザが、バレンタインデー向けにチョコレートのプレゼントを呼びかけるフェアを開催したという記録がふります。
このソニープラザのキャンペーンの詳細な内容は定かではありませんが、若い女性に圧倒的な支持を受けているソニープラザがバレンタイン・チョコレートを贈るキャンペーンを行うとしたら、買う側は女性、貰う側は男性、という現代のバレンタインデーにおけるチョコレートの基本的な流れが自然と出来上がることは想像に難くありません。
「女性から男性へチョコレートを贈る」という日本型の典型的なバレンタインのスタイルは、ひょっとしたらこのソニープラザによるキャンペーンが大きく影響しているのかもしれませんね。
いずれにしても、チョコレートメーカーの売上増強のための戦略にまんまと乗せられたイベントですが、職場での義理チョコの習慣はなかなか無くなりませんね。
しかし、このチャンスを利用して、密かに思いを寄せている男性に手紙を添えてチョコを送る気弱な女性の支援となっているのかも知れませんね。
なにはともあれ、年間のチョコの売上がこの期間に集中しているということは現実です。
年間の売上の10%-13%がこのバレンタインディーに集中しているそうです。
菓子業界にとっては、バレンタイン様々ですよね。
